違っているもの同士は、常に補い合う。なんであれ、男性の身体においてポジティブなものは、女性の身体においてはネガティブだ。なんであれ、女性の身体においてポジティブなものは、男性の身体においてはネガティブだ。だからこそ、深いオーガズムの中で出会うとき、彼らはひとつの有機体なる。
ポジティブがネガティブに出会い、ネガティブがポジティブに出会う。そして両方がひとつになる・・ひとつの電気の円環だ。
セックスには、たいへんな魅力がある。この魅力は、人が罪深かったり 非倫理的だからではなく、現代社会が放縦すぎるからでもなく、わいせつな映画や文学のせいでもない―それは、とても根が深く、そしてとても宇宙的なものなのだ。
この魅力は、男性と女性の双方が円の半分であることから生じる。そして、存在には、なんであれ未完結なものを完結させるための、それ固有の性質がある。これが究極の法のひとつだ― 完結に向かう傾向が。なんであれ欠けていると感じるものを、あなたは満たしたいと、それを完結させたいと願うだろう。自然は未完結を、どんな種類の未完結をも嫌う。男性性は未完であり、女性性も未完だ、そして、彼らの電気回路がひとつになったとき、ふたりが消えたとき、彼らは完結の瞬間を持つことになるだろう― 私が男性と女性はひとつの全体性の中での対(つい)だと言う時、私は、彼ら補足しあっていると言っているのだ。そして補完は、かれらの対極が出会ったときにだけ可能になる。
こんな風にみてごらん。ヴァギナは女性のからだのネガティブな極であり、胸はポジティブな極だ。これは磁力の棒だ。つまり、胸のそばにポジティブな極が、ヴァギナのそばにネガティブな極があるということだ。男性の場合には、胸にネガティブな極があり、ペニスにポジティブな極がある。だから、胸同士が出会うときには―女性性と男性性が― ネガティブとポジティブが出会っている。そしてセックスセンターが出会うときには、ネガティブとポジティブが出会っている。今、両方の磁石の棒が反対の極で出会っている、今、円環ができている。エネルギーが流れることができ、動くことができる。
しかし、この円環は男性と女性が愛し合っているときにだけ起こるだろう。もし彼らが愛し合っていなければ、そこにはセックスセンターの出会いしかない―ひとつのポジティブな極がひとつのネガティブな極に出会うだろう。
そこではエネルギーの交換は起こるだろうが、直線的だ。円環が作られることはない。だからこそ、愛なしでは、あなたが満足することはないのだ。
男と女のふたつの極が出会う時、ネガティブは男性の上位部分にあり、ポジティブは下位部にある。ネガティブは女性の下位部分にあり、ポジティブは上位部分にある。これらのふたつのポジティブとネガティブの極が出会い、円環が作り出される。
その円環は至福だ、しかし、めったにあるものではない。通常の性行為では、円環は生まれない― そういうわけで、あなたはセックスにそんなにも引きつけられ、同時にはねつけもするのだ。あなたはそれをとても強く感じ、それをとても必要とし、とても求めているが、それが与えられた時には、それがそこにある時には、フラストレーションを感じる・・・何も起こらない。それは、ふたつのからだがとてもくつろぎ、恐怖なしに、抵抗なしに、お互いに対してとても開いている時にだけ起こる。そうしたら、手放しは本当に完結するので、電気は溶け合い、出会い、円環を作るのだ。
すると、とても不思議な現象が起こる・・・ タントラはそれを記録してきたが、たぶんあなたはそれについて聞いたことはないだろう。
ふたりの恋人たちが本当に出会い、円環となると、明滅が起こる。一瞬、恋人は愛する人になり、そして愛する人が恋人になる。そして次の瞬間、再び恋人は恋人になり、愛されし人は、愛されし人になる。男性は一瞬女性になり、そして女性は一瞬男性になる。・・なぜならエネルギーは動いていて、それはひとつの円環になるからだ。 だから、男性性が数分間アクティブになり、そして彼がリラックスし、今度は彼女がアクティブになる。今や男性性のエネルギーが女性のからだに手渡されて、男性が受身になっている間、彼女が能動的になる。そして、男性が女性になり、女性が男性になることがしばらくの間続く。その受動性の変化するのが感じられるだろう、完全に感じられ、認識されるだろう。
生には、リズムがある。すべてのものに、リズムがある。
あなたが呼吸するとき、息は入って行く― そして数秒の間それは止まり、隙間があり、動きがなくなる。そして再びそれは動く、吐き出される― そしてまたしばらく止まり、隙間があり、動きがない。
動き、不動、動き。あなたの心臓が鼓動するとき、そこにはひとつの鼓動があり、隙間があり、次の鼓動があり、隙間がある。鼓動とは男性性であり、鼓動のない隙間は、女性性だ。
生はリズムだ。ふたりの人間が出会うとき、男性性と女性性が出会うとき、それは円環になる。そこには、双方にとっての隙間がある。あなたが女性であるとしたら、そこに突然、あなたがもはや女性ではないような隙間があり、あなたは男性になり、女性になり、男性になるだろう。これらの隙間が感じられるとき、あなたは自分が円環に達したのを感じる。
この円環が、シヴァのシンボル―シヴァリンガとして表わされてきたものだ。この円環は、デヴィの陰部yoni、そしてシヴァのリンガとして表わされてきたものだ。それは円環だ。 それは二つの高いエネルギーの出会いという、頂点の現象のひとつだ。