====「タントラとは生を危険に生きること」===
とりわけ恋愛生活に関して。
というのも、タントラは関係性を知らないからだ。
愛のことは知り尽くしているが、「結婚」という言葉は聞いたことがない。
それは個人に敬意を払うが、カップルというものは認めない。
これを聞いて骨の髄まで震えを感じないなら、あなたはたぶん私の言うことを理解していないのだろう。
なぜなら、正直に打ち明ければ、わたしでさえもまたに恐くなるほどなのだから。
こうあって欲しいという生ではなく、生のほんとうのあり方を目の当たりにしたときには。
万人に共通する根元的な選択とは、どんな場合でも、どんな状況でも、生か、死かかの選択だろう。
生を選ぶなら、わたしたちはタントラの道の上にいる。
なぜなら、タントラとは生のエネルギーを呼び覚まし、それを喜び祝い、変容させる道だからだ。
死を選ぶなら、わたしたちはタントラを見捨てたことになる。
もちろん自分は死を選んでいると思う人はいない。
知性的な人間ならそんなことができるはずはない。
だが、ほんとうのところ、生の衝動を抑えて、代わりに安全、安心、妥協を選ぶとき、わたしたちは死を選んでいる。
自分は生きたくないということを宣言している。
感情的な混乱を避けたくて孤立を選ぶ「独身者」、その方が都合がいいから結婚しつづけるカップル、ハートを開く勇気がない行きずりの恋の中毒者・・・彼らはみんな生きようとしていない。死のうとしているだけだ。
私は幸運だ、人生の大半で、危険に生きよ、安全よりも自由を選べと、マスターに突つかれ、そそのかされてきたのだから。
だが、ひとりの恋人から別の恋人へと次々と相手を替えていくのが、タントラだと思わないで欲しい。自由であることは気まぐれになることではないし、その道がどこへ向かうけっして知りえない。
ラダ・C.ルーリオ
〜タントラライフ 変容のヴィジョン〜